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スクリーンショット 2018-04-14 17.20.42.png歴史に残るヴィルトゥオーゾピアニストでもあったラフマニノフが、2台ピアノのために書き上げた「組曲第2番」は2台ピアノの醍醐味を感じさせる花形作品です。私たちもピアノデュオを始めてから最も多く弾いている曲のひとつです。圧倒的なスケール、華麗で豪快、それでいて詩情豊かで叙情性に満ち、心の底から湧き出るような喜びやせつなさのにじむ甘美なメロディーを交わします。すべてが高い芸術性を持ってピアニスティックな効果を存分に発揮し、2台ピアノでなければ生まれ得ない音楽がここにあると思います。ひとりひとりのパートを見ても、分厚い和音、細かく速いパッセージなど音も多く、それが実にうまく機能的に書かれていて、それぞれが弾き切る満足感を得られるのも人気の理由のひとつでしょうか。東洋風な響きがミックスされている点も私たちに馴染みやすいものにしているかもしれません。

ラフマニノフは、酷評による精神的ダメージを受けたことで前作の「楽興の時(作品16)」から5年ほど活動を休止しました。この作品はそこからの復帰を告げるものとなりました。悩み、苦しみを乗り越えた後の充実した時期に「組曲第2番(作品17)」そしてかの有名な「ピアノ協奏曲第2番(作品18)」と、名曲は続いて生まれました。

「組曲第2番」は4曲で構成されています。まずは自身の復活をとげた自信と喜び、意気揚々たる栄光のマーチ「イントロダクション」。軽快でお洒落、絶え間なく動く速いパッセージがふたりで平行移動する妙技を楽しめる「ワルツ」。文字通りロマンティック、恋人達がさざめく波にゆられ愛の言葉を交わすような「ロマンス」。そして終曲を飾る「タランテラ」。「タランテラ」は、毒蜘蛛〈タランチュラ〉に刺されると、踊り続けることによって解毒できるという言い伝えがあり、そのための途切れることの無い急速な8分6拍子(または8分の3拍子)の、南イタリアの民族舞曲です。鋼鉄のような低音と、技巧を駆使して弾ききるスピード感は、ラフマニノフならでは。ラフマニノフ本人とジロティにより1901年にモスクワで初演されました。

今月のテクニック
腕の重さの使い方。
fを見るとどうしてもすぐ腕の重さを乗せたくなりがちですが、スポーツカーとダンプカーのパワーの使い方の違いのように、重さの有効なところと、スピード感のほしいところといろいろあります。発音そのものは、腕からの圧力ではなく指の動きや音の鳴るポイントの捉え方で決まりますので、重さとスピードのバランスをうまく取りつつ音を作ってみてください。

この曲のCD情報
アシュケナージ&プレヴィン、アルゲリッチ&フレイレ、アックス&ブロンフマンなど。
私たちの新しいCDにも収録していますので是非聴いて下さい♪




関連曲
音の厚みを必要とするロシアものは多いです。ラフマニノフは、「組曲第1番」「ロシア狂詩曲」前奏曲作品3-2「鐘」の本人による編曲版も。師であるアレンスキーの5つの「組曲」(第2番が良く弾かれます)、ストラヴィンスキー「ソナタ」「2台ピアノのための協奏曲」、ショスタコーヴィチ「組曲」「小協奏曲」、スクリャービン「幻想曲」など。